泌尿器科について

泌尿器科で扱う代表的な疾患

前立腺肥大症

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前立腺肥大症は、男性に特有の臓器である前立腺(男性の膀胱の近くにあって尿道を取り囲んでいる栗の実大の腺組織で、精子を元気にする前立腺液を分泌します)が肥大して尿道を圧迫したり、前立腺の筋肉が過剰に収縮して尿道が圧迫されたりするために、尿が出にくくなるなどの「排尿トラブル」を起こす疾患です。
前立腺が肥大する原因は、はっきりとは解明されていませんが、男性ホルモンの働きや生活習慣病、食生活などが関係すると言われており、一般的に加齢と共に前立腺肥大症状の増加することが明らかになっています。80歳以上になると、8割以上の方が前立腺肥大症になると言われます。
主な症状としては、尿をする回数が多い(1日8回以上)、急に尿がしたくなって、がまんするのが難しい、がまんできずに尿を漏らす、夜中何度もトイレに行く、尿が出にくい、などがあります。
治療としては、まずα遮断薬などによる薬物療法が行われ、十分な効果が出ない場合は手術療法が検討されます。

血尿・たんぱく尿

血尿・たんぱく尿は尿検査(検尿)で診断できます。血尿は、尿中に赤血球が漏れ出ている状態で、尿が赤くなくても血尿の場合があります。また、たんぱく尿は尿中にたんぱくが漏れ出ている状態です。どちらについても同様に、病気の無い方では尿中に血液やたんぱくが出ることはありません。そのため、血尿・たんぱく尿が出た場合は、腎臓などの泌尿器に病気のある可能性が高いので、原因をつき止める必要があります。

尿路結石症

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尿路結石症は、壮年期(30~40歳くらい)の男性と閉経後の女性に多く見られ、腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる病気です。腎結石(腎臓結石)は、腎臓内に結石がとどまっている間は特に痛みは生じませんが、結石が尿管に移動して、尿管や膀胱などに詰まると、背中にかけての激しい痛みに、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。尿路結石症の治療では、まず痛みを抑え、結石が小さいうちは自然排石を待ちますが、大きな結石や自然排石が困難と判断された場合は、体外衝撃波結石破砕手術(ESWL)やレーザー砕石器などを用いた内視鏡手術で治療します。

腎機能障害・腎不全

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腎臓は、体の水分を調節したり、老廃物を尿として排泄したりする機能を担っています。ところが腎炎などの疾患や外傷などのために腎臓に異常が生じ、血液を濾過する機能が落ちると、老廃物を十分に排泄できなくなります(腎機能障害)。この結果、体内には不必要なものや体にとって有害なものが溜まってきてしまいます。
そして、腎臓の働きが正常の30%以下に低下し、体内状況のバランスを保つことができなくなった状態を腎不全(腎機能不全)と言います。
腎不全には、急激に腎機能が低下する「急性腎不全」と、長期間にわたって徐々に機能が低下する「慢性腎不全」の2種類があります。
急性腎不全は、早急に適切な治療を行うことによって、大部分の機能が回復します。しかし、慢性腎不全は腎機能がある程度まで低下しないと自覚症状が現れず、そのため早期発見が難しい疾患です。慢性腎不全になると、尿毒素や水分、カリウムやナトリウムなどがどんどん体の中に溜まって影響を及ぼします。慢性腎不全は様々な病気(糖尿病腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症など)のため、数年~10年以上という長い期間に、少しずつ腎機能が低下していきます。慢性腎不全となると、一度失った腎機能の回復は極めて困難です。
腎臓の働きが低下すると、本来なら尿として出るべき老廃物が体に溜まってしまいます。
症状は、進行速度や重症度、原因などによって様々ですが、尿の異常やむくみが生じたり、高血圧になったりすることもあります。
腎臓の働きが「10%以下」になると、血液の濾過が十分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまい、人工的に血液の浄化を行う透析療法が必要になってきます。

男性更年期障害

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更年期障害は女性特有のものではありません。男性でも、加齢による男性ホルモンの低下(LOH症候群:加齢男性性腺機能低下症候群)、心身の過度のストレスなどが原因となって、動悸・頭痛・発汗・ほてり・のぼせ・手足の痺れ・倦怠感・無気力・不眠・うつ・性機能障害など、様々な症状が現れます。
男性更年期障害の診断は主に、問診と採血で行います。治療法は様々ですが、LOH症候群の場合は、減少した男性ホルモンを注射で補充する「男性ホルモン補充療法」が一般的です。まずは一人で悩まずに、ご相談ください。

ED(勃起不全)

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ED(Erectile Dysfunction)は、勃起不全または勃起障害のことを言います。完全に勃起できないことだけを指すわけではなく、「勃起に時間がかかる」「途中で萎えてしまう」「満足のいく性行為ができない」と感じる人は、いずれもEDの疑いがあります。年齢を重ねるごとに誰もがなり得る症状で、成人男性の4人に1人、50代以上の男性では2人に1人がEDを有すると言われます。そこには、糖尿病などの基礎疾患が関与しているケースも少なくありません(健康な人と比べ、糖尿病の男性がEDを起こす確率は2~3倍高くなると言われています)。
また近年は、若い方でも、ストレス、精神的な原因からEDに悩むようになる方が少なからずおられます。
現在、ED治療には良い薬がいろいろ開発されており(バイアグラ、レビトラ、シアリス、シルデナフィルなど)、患者様のご要望などを考慮し、最適な薬を処方いたします。
当院は、個人情報、プライバシーに配慮して診療を行いますので、安心してご相談ください。

前立腺がん

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前立腺がんの発がんメカニズムは明らかになっていませんが、食生活の欧米化や加齢、男性ホルモンの影響があると言われています。前立腺がんは進行が遅く、その多くは尿道や膀胱から離れた場所に発生します。また、がん特有の症状が無いため、がんが大きくなって膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルや血尿などが出るようになって初めて気づくことが多い疾患です。前立腺がんは進行すると、がん細胞が骨やリンパ節に転移しやすく、稀には下半身麻痺などの症状が現れます。そのため、自覚症状が現れる前の発見と治療が大切です。定期的にがん検診(PSA検診)を行うことをお勧めします。
前立腺がんの治療法には、手術、放射線治療、ホルモン療法、また特別な治療をせずに経過観察をしながら様子をみるPSA監視療法などがあります。前立腺がんの治療を考える上では、診断時のPSA値と腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、病期診断に基づくリスク分類、患者さんの年齢と期待余命(今後、どのくらい生きることができるかという見通し)、および患者さんの病気に対する考え方などがポイントになります。

膀胱がん

尿路がん(腎盂、尿管、膀胱)の中で、膀胱がんが最も死亡数が多く、7割以上を占めます。罹患数でも膀胱がんが一番多く、尿路がん全体の約半数を占めます。膀胱がんは、膀胱鏡検査を行えば、ほとんどは診断がつきます。尿にがん細胞が落ちているかを調べる尿細胞診も有効な検査です。膀胱がんの外科的な治療には、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、腰椎麻酔をかけて膀胱鏡で腫瘍を観察しながら、がんを電気メスで切除する方法(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-BT)、もうひとつは、全身麻酔下に膀胱を摘出する方法(膀胱全摘除術)です。

腎臓がん

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腎臓がんは初期の段階では、ほとんど症状が現れません。腎臓にできたがんが直径5cmを超えた頃から、なんらかの症状が現れ始めます。「腹部の疼痛」「血尿」「腹部のしこり」が、腎臓がんの三大症状と言われています。腎臓がんは、以前は見つけにくいがんだと言われていましたが、超音波検査やCT検査などの検査技術の発達により、1cm大の小さながんも発見できるようになっています。腎臓がんの検査には尿検査、超音波検査、CT・MRI検査、血管造影検査、腎盂尿管鏡検査などがあります。腎臓がんの治療法には、外科療法、腎動脈塞栓術、免疫療法、化学療法、放射線療法などがあります。

前立腺炎

前立腺炎とは、文字通り前立腺に炎症を起こした状態を言います。
問診や検尿、前立腺触診(肛門から指を入れ、直腸を通して前立腺の大きさや硬さ、表面の状態、圧迫痛などを調べる検査)によって炎症状態を調べます。超音波検査や血液検査が必要になるケースもあります。
急性前立腺炎と慢性前立腺炎がありますが、これらは症状や経過が大きく異なります。

急性(細菌性)前立腺炎

前立腺炎は急性の場合の多くは、尿中の細菌による感染で起こり、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿症状を伴います。前立腺の腫れのために尿道が圧迫され、排尿障害や時には尿閉(尿が出なくなる)になることも少なくありません。抗菌薬の点滴や内服薬で治療します。炎症が強いと、入院加療が必要になるケースもあります。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群(CP/CPPS)

慢性前立腺炎はあまり一般的な病気ではありませんが、年齢は20~40歳代の若い世代に多く見られます。
症状は陰部の不快感、排尿時・排尿後の痛み、射精時・射精後の痛み、精液に血が混じるなど、いろいろな症状を呈し、その程度も様々です。
細菌感染によるものもありますが、原因のはっきりしない場合もあります。骨盤内の鬱血が影響しているケースもみられます。
潜在的な患者数は多く、全男性の約5%がこれらの症状を経験していると言われます。治療法は抗生物質や漢方薬の投与、生活指導ほか、いろいろです。難治性、反復性のこともあり、症状が改善するまでに数ヶ月を要することも少なくありません。

尿路感染症

尿路に細菌が棲みつき、増殖して炎症を起こした状態を尿路感染症と言い、感染場所によって膀胱炎と腎盂腎炎に分類されます。細菌は尿道の出口から侵入し、膀胱に達して膀胱炎を起こします。膀胱の細菌が尿管を登って腎盂に達し、ここで増殖すると腎盂腎炎を起こします。治療には、細菌を殺す抗菌薬が投与されます。治療が効くと、症状は3日ほどでよくなりますが、渡された分の薬はすべて飲み切るようにしましょう。症状が良くなったからといって、途中で薬を中断してしまうと細菌が生き残りやすくなり、再発してしまうことがあるからです。

性感染症(STD)

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性感染症とは、性行為を介して人から人へと感染を起こす様々な病気の総称です。
以前は性風俗店などでの不衛生な性行為による感染が多かったのですが、最近は、不特定のセックスパートナーとの性交渉やセックスの多様化などにより、ごく一般に広まっています。
逆に、風邪のように喉が痛い(咽頭炎)などの症状で性感染症が発見されるケースも見られるようになり、病状は多様化しています。
代表的な性感染症は、淋病、クラミジア感染症(非淋菌性尿道炎)、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、カンジダによる包皮炎、毛ジラミ症、エイズなどです。思い当たる節のある方や、パートナーが性感染症にかかっている方は、早めに専門医による検査、および適切な治療を受けましょう。それが、早期治癒への大事な一歩です。

前立腺がんドック

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前立腺がんを早期に発見するための専門ドックです。前立腺がんは、初期には自覚症状がほとんどありません。しかし、そんな早期の段階に発見できれば、治療の選択肢が多くなりますし、ほとんどのケースで根治が可能です。前立腺に異常がある場合は、血液中に大量のPSA(前立腺に特異的なたんぱく質の一種)が流入して、PSA値が高くなり、前立腺がんが疑われます。前立腺がんドックでは、このPSA検査(血液検査)や前立腺超音波検査(腹部から超音波をあて、前立腺がんの疑いの有無を調べます)などを行い、これによって前立腺がんの早期発見に繋げます。排尿の回数が多い方や、尿の出が悪い方などは、一度、前立腺がんドックをお受けになるよう、お勧めいたします。